「伝統のリズムにひたって」
夏の夕、汽車に揺られて久しぶりに阿波踊り見物に行きました。JR徳島駅に降り立つと、耳慣れた伝統のリズムが街全体に響き渡り、懐かしい雰囲気です。まず立ち寄ったアミコドームは、こぢんまりとした踊り場ですが、子供たちの参加や少人数の庶民的な連の踊りが楽しめて、和やかな雰囲気でした。新町橋周辺まで歩いてゆくと、踊りは最高潮で大変な人出でした。喧噪の中心では、有名連の踊り子たちが一糸乱れぬ踊りを見せ、観光客もつられて心浮き立ち、笑顔と感動の渦に巻き込まれていました。耳になじんだ二拍子は、コロナの時期に沈んだ人々の気分を解き放ち、つかの間のホッとした安堵感を与えているかのようでした。
すずえこどもクリニック 鈴江純史